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​『自信と過信』/ 井琉士
『自信と過信』/ 井琉士

こんにちは。
影ながらチームを支えてくれている学連の佐藤涼真くんからバトンを受け取りました。2年の井琉士です。
少し長くなってしまいますが、最後まで読んでいただけると幸いです。

私は今シーズン、ありがたいことにトップチームでサッカーをさせてもらっている。
オフシーズン、チームが始動したばかりの頃の練習試合の相手は、関東1部に所属する桐蔭横浜大学だった。試合前日、監督の厚さんから「結果残せよ」と声をかけられ、私は冗談交じりに「明日は点決めますよ」と返した。
桐蔭横浜大学は、自分の世代でもスーパーな選手が揃っていて、「こんなすごい選手たちと試合ができるのか」と、試合前からワクワクが止まらなかった。
試合が始まり、カウンターのチャンスでだいきくんがボールを収めて、サイドを走っていた自分に、ハーフウェーラインを少し越えたあたりでパスをくれた。そこから自分の得意なゾーンで一対一の状況を作り出し、相手をかわして、キーパーの股を抜いてゴールを決めた。その瞬間、気づいたら3回ほど雄叫びを上げていた。
「こんなにもサッカーは楽しいのか」と、そして
「関東1部相手にも自分のドリブルは通用する、自信を持っていい」そう思っていた。
2月、3月とあっという間に時が過ぎ、ついに関東リーグ開幕の日がやってきた。前日のメンバー発表のとき、自分の名前がボードにあった。嬉しかった。いや、嬉しすぎるほどだった。試合では残り5分という短い時間ではあったが、出場することができた。「関東リーグに出場する」という目標が、自分にとってどれほど大きなモチベーションだったかを改めて実感した。
その後も途中出場する日があったが、だいたいはベンチを90分間温めていた。交代カードを使い切った後、自分がまだベンチにいることが何度もあった。正直、悔しかった。「なんで俺じゃないんだ」と思う日も多かった。
だが、自分の中にあった「ドリブルは通用する」「関東リーグ初出場」「なんで俺じゃないんだ」といった“自信”は、ただの“過信”だったのだと気づくことになる。
ある事情から、自分が関東リーグのスタメンに選ばれることになった。そのとき、嬉しさよりも緊張の方が大きかった。けれど「ここまでやってきたから大丈夫。自信を持とう」と自分に言い聞かせていた。
しかし、試合当日、ありえないほどの緊張に襲われた。(静かすぎていじられました)
ファーストプレーからプレーがうまくいかず、あわや失点に繋がるところだった。ボールを受けてもすぐに失い、戦えない、一対一にも負ける。自分の持ち味はまったく発揮できなかった。チームが勝利できたことは嬉しかったが、自分のプレーには何ひとつ納得できなかった。
翌週の首位・共栄大学戦でも、自分はスタメンだった。だがそのときにはもう、「自分がスタメンでいいのか」「なんで自分なんだ」と思うようになっていた。以前は出場できずに「なんで俺じゃないんだ」と思っていたのに、その気持ちが恥ずかしいほど、自信を失っていた。
練習でもうまくいかず、サッカーが楽しくなかった。
そして迎えた共栄大学戦。前回の城西大学戦ほどの緊張はなかったが、試合開始早々、右サイドで、得意の位置でボールをもらおうとした、いや足元にパスをもらったはずだった。気がついたらボールは足元にはなく足の裏をすり抜けてサイドラインの外にあった。心の中で「また始まった」と感じてしまった自分がいた。セットプレーでも大きなキックミスをして、そのカウンターも自分の守備のミスから失点した(オフサイドで取り消しでした)。
そしてハーフタイム。“交代”を告げられた。
本当に正直に言ってしまうと悔しさももちろんあったが、それ以上に「ほっとしている自分」がいた。
メンバーに入りたくても入れなかった仲間がたくさんいる中で、試合で迷惑をかけている自分が出るべきではない、そう心の底から思っていた。
同期の田口くんが決めたゴールで劇的な勝利を収めたが、試合後の写真には、一人だけうまく笑えていない人がいた。
翌週の練習でもミスが続き、ボールを受けることすら怖くなった。紅白戦でも自分のミスでカウンターを受けたりと、本当にここまでかというくらいにサッカーがおもしろくなかった。楽しくなかった。
そして関東リーグ前期最終節・明治学院大学戦、アミノバイタルカップ、いずれも自分はメンバー外だった。
それでも、そんな状況に寄り添ってくれる同期や仲間がいた。
練習後の自主練に誘ってくれる國分、たろう、ゆうまを初めとした同期のみんな。
何度も「大丈夫だ」と声をかけてくれる高橋悠くん。
そして笑いながらいじってくるキャプテンの金子星太くん。
同期、仲間のおかげで、自分をもう一度見つめ直そうと思えるようになった。
そしてようやく気づいた。
自分はただの“下手くそ”だったのだと。
自信を持つことは大切。だが、その自信には裏付けとなる技術や努力の過程が必要だと。
ただただ1回いいプレーができて変な自信を持ったが試合で通用せず、ただの過信にすぎなかったということにいま気づけたこと、これは自分の中で本当に大きな意味があると思っている。
2年生になり、授業の関係で去年は朝練にも2日しか参加出来なかったが、今年は朝練全てにも出れるようになり、サッカーに向き合える時間が増えたからこそ、より一層、熱量を持って人一倍努力していかなければならないと感じている。
それでも、どんなときでも忘れてはならないのは、自分がサッカーを好きになった“原点”。
サッカーを心の底から楽しむという気持ちだ。
熱い気持ちを持ち続けながらも、純粋にサッカーを楽しむ、その原点をこれからも大切にしていきたい。

そして、
小さい頃から大学までサッカーを続けさせてくれた両親、いつも結果を気にかけて応援してくれる兄、自分を支えてくれる周りの人たち、
そして、大好きな同期や仲間たち、すべての人への感謝の気持ちを忘れずに、これからも大学サッカーに自分らしく、情熱を持って全力で取り組んでいきたいと思います。

長くなりましたが最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回は色んなところを怪我しすぎて手術を何度もし、身体に色んな部品が入っているサイボーグの須亮司です。普段は情弱すぎていじられていますが、理系で一生勉強しているので相当面白い文章が来ることでしょう。
彼のブログに乞うご期待を!
2025/07/07 13:23
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