『「待つ側」から「操る側」へ』/小泉翔汰
左サイドハーフから右サイドバック。沖縄遠征で、サッカー人生初の右サイドバックを経験した。
ピッチの左から右、そして一列下がった位置へ。たったそれだけの変更だが、目に入る景色は180度変わった。常にピッチ全体を視野に収めながら盤面をコントロールする感覚は、これまで攻撃の局面でボールを待つことが多かった自分にとって、驚くほど新鮮なものだった。
特に面白さを感じたのは、一番後ろのラインからピッチ全体を見渡し、声を出して前の選手を動かす感覚だ。自分の指示ひとつでチームの守備ブロックが連動し、相手の攻撃をハメる感覚には、これまで味わったことのない楽しさと気持ち良さがあった。
さらに、ビルドアップの局面で自分を経由して攻撃が組み立てられ、自分の運びやパスから展開が始まっていく感覚は、たまらなく気持ちいい。まさに攻撃の起点となっている実感がそこにはあった。
これまで左サイドハーフとして右サイドバックと何度も対峙してきた経験から、攻撃側が何を狙っているのかを察知する「予測能力」が自分にあることにも気づけた。相手の選択肢を予測して消すプレーは自分の強みの一つだと自負している。
一方で、されたら嫌な動きもリアルに見えてきた。外側に張るよりも、こちらの視野の死角に潜り込まれたり、タイミング良くスペースへランニングされたりするのが一番捕まえづらく、厄介なのだと実感した。実際の対応に入った際の間合いの詰め方や対応など、個の守備力にはまだまだ課題が残る。
その反面、もともとアタッカーだからこそ、相手が嫌がるタイミングやパスの出しどころが感覚的に分かるのは大きな強みだ。相手のプレッシャーをいなして高い位置まで追い越し、攻撃の枚数を増やすプレーは、自分の新しい武器の1つになると確信した。
初めての右サイドバックは、自分の課題を痛感させられると同時に、プレーヤーとしての幅を大きく広げてくれる最高の成長機会となった。この経験を活かし、攻守で違いを出せる選手を目指して日々のトレーニングで成長していく。
2026/09/21 09:39