『挫折との対話』/森夲空斗
明けましておめでとうございます。
進路が決まってから引退ブログを書きたいと思い、マネージャーに相談して提出期限を延ばしてもらいました。また、リリース日に合わせることで、より多くの方に自分のことを知ってもらえたらと思い、このタイミングで引退ブログを掲載してもらうことにしました。
先程リリースがあったように、2026シーズンより南葛SCに加入することになりました。
青山学院大学の森夲空斗です。
引退ブログで何を書くのが正解かは分かりませんが、大学サッカーを通して感じたことや進路を選択する中で考えたこと、そしてこれからについて、今の素直な気持ちを綴りたいと思います。
大学4年の夏に人生で初めて大きな挫折を経験した。
夏に練習参加したチームからすぐには内定をもらえず、保留という現実を突きつけられた。練習参加という場でプロの選手と同等のレベルでプレーはできるものの、そこで突出したインパクトを残すことができなかった。
私のストロングは、184cmの長身で左利き、足元の技術があり、高い戦術理解力を持っていることである。大学サッカーの中でこの武器は通用し、アドバンテージがあった。U19全日本大学選抜でイタリア遠征に行き決勝ゴールも決めた。U20全日本大学選抜に選出され、韓国遠征や華のDENSOカップにも出場した。
しかし、プロの世界では私が武器としていたことは当たり前のベースにすぎなかった。内定を勝ち取れない自分を責め、これまで積み上げてきた代表歴も選抜歴も過去の栄光だと自虐するように自分を否定した。もっと塩貝みたいにスピードやドリブルなどの武器があればと思った。子どもの頃、お父さんにスピードに乗ったドリブルを身につけろと言われ続けた言葉が現実となってしまった。
夏に進路が決まらないことで自信を失い、サッカーが嫌になり、怪我をしたいとさえ思った。就職活動もしていたので、大学でサッカーを辞め、内定をいただいていた企業に就職しようとも考えた。徐々にサッカー選手としてのアイデンティティをも失い、他チームから練習参加の話をもらっていたにも関わらず、監督の厚さんに自ら「練習参加を取りやめてほしい」とお願いするほど、精神的に追い込まれていた。
その一方で、「それでも自分を必要としてくれるチームがあったら教えてください」と厚さんにお願いした自分もいた。今振り返ると、本当にもったいなかった。目の前の結果で一喜一憂している場合ではなかった。自分を評価してくれるチームを待つことにした。
夏に挫折を経験して迎えた後期リーグは、個人的に調子が良かった。
先制する試合が多かったが、追いつかれて同点や逆転負けが多く、勝ち試合を落としてしまい、なかなか順位を上げることができなかった。1年から試合に出ている自分が、ピッチ内でチームをもっと引っ張り、勝たせないといけなかった。
最終節後、自分が大学サッカーを引退したことよりも、2部に昇格できなかった申し訳なさで、後輩たちの前では泣くべきじゃないと思い、涙を堪えた。泣きたいのは今年も3部でプレーをすることになった後輩たちだと思うから。本当に申し訳ない。
後期リーグ終了までにオファーはなかった。夏に経験した挫折もあり、本格的に就職に振り切り資格の勉強をしていたときに一通の電話が届く。南葛SCから練習参加に来て欲しいという連絡だった。
進路について色々考えたが、頭を動かしても何も決められなかったので、コンディションを作るためにグラウンドに向かった。引退後の4年をトップチームの練習に入れてくれた厚さんと後輩たちには感謝しています。ありがとうございます。あの時間は自分にとって凄く大切な時間でした。
また、トップチームが試合の日は、サテライトの紅白戦にも入れていただきました。もろさん、ありがとうございます。宇都とダブルボランチを組み、あまり話したことのない1年生と一緒にサテAを倒せたあのゲームは最高に熱かったです。佐野、丈、藍大と練習後2時間くらい話して、可愛い後輩もできました。
コーチ陣や後輩たちに協力してもらい、しっかりとコンディションを作ってから南葛SCの練習に参加した。南葛SCの監督はかつてフロンターレやグランパスを指揮していた風間八宏監督で、この出会いが私のサッカーに対する探究心を再び刺激するきっかけとなった。リリースの文章にも書いたように、私は幼い頃から風間監督の攻撃的なサッカーに憧れを抱いていた。試合前は小林悠選手のプレー集をよく参考にしていた。風間監督の「止めて蹴る」の練習を実際にやってみると、想像以上にボールが止まらない。止め方も今までと違う。「技術で時間を合わせる」この言葉がとくに印象的で好きな言葉だった。練習後、風間監督に挨拶をしたときに「上手くなりたいか」と聞かれた。私は反射のように「上手くなりたいです」と答えた。この反射ででた上手くなりたいという気持ちが私の本心だと思った。こんなにも素直な気持ちを私は夏の挫折を機に胸の奥にしまい、自分の気持ちに嘘をついて就職しようとしたり、自分は下手だからもう限界だと本心から思ってもいないことを言い、サッカーから逃げようとしていた。本当に情けない。身体が動くうちはサッカーを存分に楽しみたいし、仕事として生きていきたい。練習後、正式にオファーをいただき加入することになった。サッカーを辞めようとしていた自分を救って下さった南葛SCには感謝しかありません。まだサッカーが上手くなれるこの感覚があるうちはサッカーは辞められないし、サッカーを仕事として生きていけるこんなにも幸せなことはないと改めて感じた。自分の素直な気持ちを尊重した。認めてあげた。内定いただいていた企業に辞退の連絡をした。ゆうとさんに就活なんかするなと言われた意味がやっとわかりました。しかし、就職活動を通して得たこともたくさんあります。南葛SCは選手もスポンサー営業を行うので、就活で得た経験も活かして頑張りたいと思います。将来的には、南葛SCにM&A事業部を設立して、南葛SCの大きな収入アップに貢献したいと考えています。
南葛SCという歴史ある素晴らしいクラブで、風間監督から指導を受けられるという最高の環境でサッカーができる。夏に感じた挫折をもう一生味わいたくない。プロ相手にも圧倒できる確かな技術をもう1度1から身につけて、ストロングを増やす。もうやることは明確である。
サッカーを通して色々な事が学べた、思い出に残った、青春ができたという感情で、サッカーに負けたことやアイデンティティが失われた経験を美化してはいけない。勝ち負けで言えば、私はサッカーに負けた。大卒でプロサッカー選手になるという夢を叶えることが出来なかった。この敗北をしっかりと胸に刻み、取り組み方を変えないと私は変われない。目先の結果で一喜一憂し、勝ち負けを意識して、人生をかけて大切にしてきたサッカーに対するアイデンティティが失われる瞬間は何よりもしんどいものである。もう一生感じたくない。
私を必要としてくれるチームがあるなら、その期待に答えたい。夏に私を必要としてくれるチームに貢献したいという思いが、こんなにも素晴らしいチームで叶うことができたのは、今まで私と関わってくれた沢山の方々の支えがあったからだと感じています。これまでお世話になった方々への感謝の気持ちを胸に、これからも精進して参ります。
進路選択を通して、たくさんの方に支えられ、周りの人に恵まれていることを感じることができた。サンフレッチェ広島ユース時代の同期で親友の波多野そうし。そうしにはたくさんの相談に乗ってもらい、背中を押し続けてもらった。そうしは大学でサッカーを辞めることを選んだが、たくさんの葛藤があったと思う。彼の思いも背負ってプレーしていく。
りなちゃんは、自分の表現するサッカーを好きでいてくれて、「そらとは上手いよ」と伝え続けてくれた。りなちゃんの支えがなかったら、ここまで踏ん張れなかったし、サッカーを本当に辞めていたかもしれない。進路の部分も協力してくれた。「3部だからオファーがこないだけ。そらとの実績があるならもっと練習参加に行けるはずだし、知られてないだけだよ」と言い、Jのチームに自ら連絡をしてくれた。結果的に4チームほど、1月の練習やキャンプに呼んでもらえるところまで動いてくれた。南葛SCに行くことを決めてからの練習参加依頼だったので、結果的には辞退することになったが、過去の栄光として一掃していた自分の実績は、確かな実績で自信を持っていいんだよと証明してくれた。本当にありがとう。
武田やまと。よくお世話になった。指定校なのにスポーツ推薦みたいな立ち回りは素晴らしかったと思う。ライブにも一緒に行ったし、数々の試練を共に乗り越えてきた。大学生活がこんなにも楽しくなったのは、やまとがいたからだと思う。一生よろしく。
上田しんあ。おれが挫折して落ちてたときにラーメン屋で、「おれは週末とか休みの日に、同期と一緒にそらとの試合を観に行きたいから、サッカー続けてほしい」と言ってくれたことが本当に嬉しかったし、頑張る力になった。ありがとう。
両親。全く言うことを聞かない長男かもしれませんが、どんなときも私の進みたい道に、お金が理由で選択肢が狭くならないように、選択肢に溢れた贅沢な人生を歩ませてくれてありがとうございます。お父さんの不器用な愛情も、お母さんの愛情も常に感じています。今まで色んな景色を見せてあげれたけど、最後に一番見せたい姿を見せるのが、まだ先になってしまった。もう少し頑張ってみようと思います。
大卒でプロサッカー選手になれなくて本当に悔しい。正直、運や縁に恵まれてプロになれた選手もいる。でも、それがあるのがサッカー界だし、その運と縁を覆せる圧倒的な実力がなかった自分に矢印を向けて、南葛SCと共に這い上がります。自分は1年でも早く、大卒でプロになったやつらを追い越したい。「もっと上手くなるぞ」と言う風間監督の言葉を信じ、追求していきます。現役引退するときまで、サッカーに勝ったと言えるように頑張ります。
赤裸々に語らせてもらいましたが、これが森夲空斗です。負けず嫌いです。諦めも悪いです。最後まで頑張りきった奴が報われる。そんな世界であってほしいと思います。南葛SCは2年後、J3に参入します。葛飾区にスタジアムが建設される構想も進んでおり、このスタジアム構想は、東京23区内では初のJ1基準を満たすスタジアムとなります。全てにおいて可能性しかありません。あとは私たちが勝つだけです。
最後に、南葛SCはSNSにも力を入れており、InstagramとXの開設もチームからお願いされています。Instagramに関しては、今まで100人ほどの小規模な鍵アカウントでしたが、公開にしてSNSも頑張りたいと思います。Xのアカウントも新しく作りました。
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長くまとまりのない文章でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。これからも青山学院大学の応援と、南葛SCの応援、そして森夲空斗の応援をよろしくお願いします。
2026.1.8
森夲空斗
2026/01/08 13:32