『最後に残った感情』/上田慎明
お世話になっております。
青山学院大学4年の上田慎明です。
引退して1週間が経ち、現役の頃は毎朝目覚ましよりちょっと早く、6時30分には自然と起きられていたはずが、最近はなかなか起きられなくなり、その変化にサッカー部を引退したんだなと実感しているところです。
もともと、自分の気持ちを書いたりしたことがほとんどなく、参考のために高校時代に何冊も書いたサッカーノートを開いてみました。読んだところ、監督に見られることを意識したやる気や意気込みなどを綴ったファイティングモードの自分ばかりで、本音はほとんど書けていませんでした。
だから、今回の引退ブログだけは飾らずに、ありのままに感じたことを書いてみようと思います。
まだ入学する前の3月。初めての青学の練習は寒い雪の中だった。最初の練習で神田さんのボックスtoボックスのランメニューとストレングスを体験した。大学サッカーめちゃくちゃきつくね?と同期と怯えながら始まったのがつい最近だと思うほどあっという間に4年間が経った。それくらい濃くて楽しい4年間だった。
そして引退して、まず今一番感じている気持ちはサッカー部での毎日がたまらなく愛おしいということ。
青学でやるサッカーが好きだし、そんなみんなと「関東リーグ、Iリーグ昇格」という目標に、本気で挑む時間が何よりも幸せだったと感じている。青学は一人ひとりが昇格のために必死で頑張っていて、そんなチームの一員でいれることに誇りを持っている。
ただ、自分がそう思っていたとしても、周りの人はいいチームかどうかは全て結果で判断される。
だからチームの目標の達成させた上で
「俺は17年間のサッカー人生の集大成をこんないいチームで最高のシーズンを過ごせたよ。」と胸を張って言いたい。ずっとそう思っていました。
だからこそ、今シーズンこそは絶対に昇格したかった。
そんな思いのなか、新チームが始動し、サテAでスタートした。そして4月、祐人さんから「今シーズンは90分出せないかもしれない。残るかサテBに行くか自分で決めてほしい。」と言われた。
残るか、サテBで試合に出る道を選ぶか。
その場で決断を求められたけれど、正直すぐには決められなかった。
同期の星太、空斗、大屋、安藤に相談した。星太から「どっちを選んでも正解だと思うし、応援するから。後悔しない選択をしてほしい。」
と言われた言葉は、今でも心に残っている。
悩んだ末、ラストシーズン試合に出て活躍したいという思いが強く、サテBを選択をした。
ラストシーズンが開幕し、下級生が多いカテゴリーの中で、練習や試合をしたりして感じたのは4年が“幹”にならないと周りはついてこないし、勝てるチームにはならないということ。そこからカテゴリーキャプテンをするようになり、自分がやるしかないっていうマインドになってからはプレーが今までよりも良くなったし、同期からも「4年になって上手くなった?」と言ってもらえるようになり嬉しかった。
リーグ前期は「何でお前がここにいるの?」みたいな選手がまあまあいたこともあり、成績は1敗のみで優勝、昇格を狙える順位にいた。前期が終わった時点で全カテゴリーが昇格できそうなところにいた。
しかし後期に入り、駒澤大学に負けたことで、サテBの昇格の可能性がほぼ0になった。
駒澤に負けた日は悔しかったし、大学サッカーラストシーズン、本気で目指してきた目標が消え、悔しさと喪失感で残りの試合、なに目指してやればいいんだろうという感情になった。
そんな中、翌週の練習で祐人さんから「サテAの昇格のために力を貸してほしい」と言われた。モロさんからも「サテBのことは考えず、青学のためにサテAで貢献してほしい、期待している。」と声をかけてもらった。
サテAにあげてもらい、サッカーができる時間が伸びたことも嬉しかったし、もう一度昇格を目指して本気で戦えることが本当に嬉しかった。これが本当のラストチャンス、次こそは昇格を掴んでみんなと喜びたいと心から思った。
そこから最終節までの3試合に出場し、全部勝ってプレーオフを掴んだ。
最後のプレーオフ。0-2で試合終了のホイッスルが鳴った。あっという間に試合が終わったなっていう感覚だった。そして今までのいろんな感情が溢れてきた。
悔しさはもちろんあった。勝ちたかったし、もっと試合に出ていたかったし、ゴールももっと取りたかった。関東リーグに出て活躍したかったし、チームを昇格させたかった。
でも最後に残った感情はこのチームでの日々が終わってしまう寂しさだった。
毎日、朝早いなって思いながら始まる練習も、終わる頃にはいつも充実していた。
終わりが近づけば近づくほど、このチームでの日々がどれだけ自分にとってかけがえのないものだったかを痛感するようになった。
毎朝の練習、週末のリーグ戦、神田トレーニングあるかを気にする火・水曜日、自主練後の何気ない時間、グラウンドに座ってするほぼ中身のない会話、みんなで食べに行ったご飯。そのすべてが愛おしくて、もう絶対戻ってこない大事な日々だと気づいた。
最後に、後輩たちに何かひとつでも残したいと思っていましたが、関東、Iリーグ昇格を達成できず本当に悔しい気持ちでいっぱいです。この目標は来シーズンの後輩たちに任せることにします。
普段はこういう感情や想いを表に出すことはないので言葉にするのがほんとに大変でしたが、同期との温泉での語りタイムを思い出しながらなんとか書き上げました。
17年間続けたサッカーの最後のシーズンを、可愛い後輩たち、熱いスタッフ、支えてくれたマネージャー、そして最高の同期と過ごせた時間はこれからの人生の大きな財産です。青学でサッカーができて、本当に幸せでした。
みんなに心から感謝しています。
ありがとうございました!
2025/12/02 20:27