『走り続ける理由』/ 笠間吉孝
『走り続ける理由』/ 笠間吉孝
平素から大変お世話になっております。
私に授業の出席を頼む時には、団子と感謝のメッセージをプレゼントしてくれる仲間想いで優しいマネージャー、岡村香亜奈からバトンを受け継ぎました地球社会共生学部、笠間吉孝です。
今8月からの半年ほどの留学について、私自身としては人生を左右する転機として捉えているものの私が言うとネタくさくなってしまうためかただのバカンス、バケーションと大半の同期に揶揄されるこの頃ではありますが、私自身が青山学院大学でサッカーを続ける意義を定期的に振り返り、考え直す材料とするためにも、まずは今の自分を作り上げたであろう高校3年間について述べたいと思います。
「18秒12秒」「16秒44秒」「8秒22秒」「インターバル」「山雅」「トルコ走」。これらは、高校時代に日常的に取り組んでいた走りのメニューである。駒澤大学高等学校サッカー部での生活は、控えめに言っても非常に過酷であり、時には「駅伝部に入ったのではないか」と錯覚するほどであった。
走ることが得意ではなかった自分にとって、練習後の走りは心身ともに大きな負担であり、試合前日ですら例外なく課されていた。また、連帯責任として“おかわり”が課されることも日常茶飯事であり、タイムに届かない選手がいれば全員でもう一本走らされる。キーパーも例外ではなく、走れる者が走れない仲間を押して助ける場面も珍しくなく、ナイターが消えてもなおタイムに入らず暗闇の中で走り続けたこともあった。
それでも大学でもサッカーを続けている理由は、仲間の存在、そして努力が成果に結びついたという経験があるからだ。走っている最中に交わされるポジティブな声かけ、練習後に交わすたわいもない会話。そうした日常の積み重ねが、団結力と信頼関係を育て、試合の後半には「走り勝てる」という自信につながった。終わりなき理不尽な走りに向き合い、打ち勝つことは私たち自身の弱さと向き合っているような感覚で、それを乗り越えようと一致団結したこの高校3年間は、間違いなく私のかけがえのない財産である。そしてこれが大学でもサッカーを続けようと決意する原点となった。
青山学院大学体育会サッカー部でサッカーを続ける意義とは、学生生活という限られた時間の中で仲間とともに苦楽を分かち合い、高校時代には得られなかった「目に見える成果」を追い求め、それを支えてくれたすべての人々にプレーを通じて還元することにある。
今シーズンはトップチームに昇格することができたが、試合にはなかなか絡むことができず、自身の実力不足を痛感していた。ただ、自分よりもはるかにレベルの高い選手たちと日々のトレーニングを通じて切磋琢磨できるこの環境は、非常に学びが多く、何より楽しい時間であった。サッカーを通じて挫折を何度も経験し、失敗するたび絶望感を得るのだが、その失敗を材料として向上していけるこの環境こそ私にとって特別なものなのだ。8月から半年ほど留学のためサッカー部を離れることとなるが、あらゆることに果敢に挑戦し、人間として成長してピッチに帰ってこれるようにしたい。絶対にこのままでは終わらない、終わらせない。必ず来シーズンこそは今まで支えてくれた家族や友人にピッチ上で躍動した姿を見せる。そして最高の青学familyと共にどんな試練も乗り越え、目に見える成果を残せるよう尽力していきたい。
長く拙い文章となりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
続いては、運命的にもお父さんのお名前が私と同じ'よしたか'である、流経出身多彩なキックと圧倒的パワーを兼ね備える木下晴喜です。彼ならきっとうちに秘めた熱い想いを語ってくれるはずです。
お楽しみに!!!
2025/06/26 19:01