産業能率大学サッカー部　公式サイト

Vol.17　『自分には何ができるのか』中田健介（4年）

プロフィール
【名前】中田健介
【出身校】札幌U-18
【ポジション】GK
【好きな芸能人】野田洋次郎
【進藤隼人 4年 (日本大学藤沢高校)から見た印象】
高身長、RAD好き、顔はJY・Park似の中田くんです。
自分のやりたいことには妥協をせず、頑張り屋さんです。
彼は歌うことが大好きで、カラオケが上手いです。
そんな彼を少しでも知りたいと思う人は是非18祭2019をチェック！

「自分には何ができるのか」

　はじめまして、サッカー部4年の中田健介です。私は、普段感じている事やこれまでの活動について書かせていただきました。最後まで読んでいただければ幸いです。

　突然ですが皆さんは、自分の名前を言えなかった事はありますか？飲食店で自分の食べたいものを頼まなかった事はありますか？言葉を発する事に恐怖を感じたことはありますか？この質問に九分九厘の方は「？」が浮かぶと思います。はい、その反応で間違っていません。しかし、私の所属している一つのコミュニティではただの「あるある」です。私はこれら全ての経験があります。そして、今もなお感じている事もあります。

　私は吃音症です。吃音症を簡単に説明すると、話し言葉を滑らかに発する事が難しい精神障害に分類されることが多い障害です。そして、この障害を持っている人の割合は100人に１人と言われています。皆さんはこの数字を見てどう感じるでしょうか。私は、この数字を中学３年生の時に知り、「え、絶対そんなに多くいないでしょ」こう思いました。なぜなら、当時15年間生きてきて同じ障害を抱えた方に１度も出会った事がなかったからです。それは何故か、この障害の難しい課題は隠そうと思えば隠せてしまう事です。

人と違う点、いわゆるマイノリティな部分は理解がされにくく、時にバカにされてしまう事も少なくありません。皆さんにも少数派の癖や価値観の一つや二つあるかもしれません。そういった部分はなかなか表に出しにくいですよね。ですが、表に出しにくいからと言って他者へ開示する事を避ければ、その分、心の負担を減らすこともできますが、他者からの認知や理解からは遠ざかってしまいます。

　お待たせしました。やっとタイトル回収です。以上を踏まえて「自分には何ができるのか？」皆さんが思う「普通」を、自分にはできない事の怖さを私は知っています。このことから私は、世の中にはこんな人間もいるという事を発信したいと思い、これまで活動をしてきました。

　偉そうな事を書いていますが、私自身16年間続けてきたサッカーでも壁は多かったです。まず、私のポジションはGKです。GKのコーチングは神の声なんて言われますが、私の場合は考えている10分の1程度しか発する事ができていないので、役割を一つ無駄にしかけています。そんなハンデがある中でも、プロになりたかったんです。それは何故か、純粋にサッカーが好きなのはもちろんですが、社会的に注目を浴び、似た苦しみを持つ方々のシンボルになりたかったからです。

しかし、結果は虚しく大きな成果を上げる事ができずとても悔しいですが、一番大きな成果として日本の公共放送であるNHKの「18祭」という番組に出演し、多くのインタビューシーンを放送していただきました。その反響として友人や恩師からだけでなく、SNSでも数百人の方々が、わざわざ名前を検索し感謝や応援のメッセージをくださいました。こういった多くの人に強く伝わるような活動を続け、例えプロサッカー選手になれなくとも、別の世界のプロとしてこれからも誰もが少しでも生きやすい社会になるよう、前に進んでいきたいと思います。

途中紹介させていただいたNHKの「18祭」で公開されたRAⅮWIMPSの「万歳千唱」と、今では中学や高校の卒業式で歌われるようにもなった「正解」という曲をYouTubeで聴くことができるので、是非一度聴いてみてください。あなたの心のどこかに響いてくれたら嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも産業能率大学サッカー部をよろしくお願いします。

産業能率大学サッカー部 公式サイト

産業能率大学サッカー部　公式サイト