産業能率大学サッカー部　公式サイト

【名前】樋口晴磨
【出身】帝京高校
【ポジション】MF
【堀友希から見た印象】
晴磨は、同じ寮生活をするうちの一人です。サッカーでは驚異的なスピードと足元の技術を武器に、ピッチを縦横無尽に駆け巡るプレーヤーです。ボールを運ぶ力に長けており、どんな状況でも相手を置き去りにするプレースタイルは、まさに俊足ドリブラーです。
普段は冗談を飛ばしながら場を盛り上げるムードメーカーですが、ひとたび試合が始まると、真剣な眼差しで勝利を追い求める姿が印象的です。
そんな彼のブログを是非見てください。

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『挫折からの再出発』
 
産業能率大学のサッカー部に入部してから1年半が経った。入部前の自分は、さまざまな目標を掲げ、強い向上心を持ってここへ来た。
しかし、待っていたのは想像以上に厳しい現実だった。高校までの自分は、試合に出場し続け、常にチームの中心で戦ってきた。だが、大学ではベンチ外やベンチスタートが続き、試合に絡めない日々が増えていった。目標を高く持っていただけに、現実とのギャップに苦しんだ。
「自分ならできる」「絶対に活躍できる」という根拠のない自信が、一瞬で打ち砕かれた。今まで積み上げてきたものすべてを否定されたような感覚に陥った。サッカー人生で初めて、本当の意味での挫折を経験した瞬間だった。
 
自分のプレースタイルは、ドリブルで仕掛け、見ている人を楽しませることだ。特に負けることが大嫌いで、中学時代は紅白戦で負けるだけでも半泣きになったことがあったほどだった。試合中は感情をむき出しにし、何度も注意されたことがあったが、それは「絶対に負けたくない」「目の前の相手には必ず勝つ」という強い気持ちがあったからこそだった。
 
中学時代には全国準優勝を経験し、高校ではプリンスリーグという高いレベルで戦い、自分の武器を確立してきたつもりだった。そこでは、「自分が劣っている」と感じたことは一度もなかった。だが、大学に入ってからは自信を失い、自分を見失った1年半を過ごしてしまった。確実に「人に負けないもの」は持っているはずなのに、殻を破ることができず、小さいスケールの選手になってしまっていた。
高校までの自分なら「ここは仕掛ける」「決めきる」と考え、プレーに迷いはなかった。それが、大学では「後ろに1枚いるからバックパスで逃げられると、悪い意味で考えすぎるようになってしまった。本来の自分の良さは、「普通なら無理だと思う場面でもチャレンジすること」だった。逃げるサッカーをして何が楽しいのか。本来の自分なら、常に仕掛け、常にゴールを狙う選手であったはずだ。
現在までを振り返ると、調子のいい日がなかったわけではない。Iリーグでは、自分の持ち味であるドリブルが通用し、推進力を発揮できた場面もあっただからこそ「なぜ試合に出られないのか」と苛立つこともあった。しかし、その理由は明確だった。
 
「守備ができない」
 
攻撃には絶対的な自信があったが、守備にはまったく自信がなかった。それどころか、「攻撃でなんとかすればいい」と考え、守備から逃げてきた。だが、大学でウィングバックという新しいポジションに挑戦する中で、「守備ができない」というのは致命的な欠点だった。
距離感、タイミング、ポジショニング——すべてができていなかった。それでも、「攻撃ができればいいでしょ」とどこかで思っていた。だから試合に出られなかった。
自分の好きなことだけやっていてプロになれるほど甘い世界ではない。苦手なことから逃げていては、何も成長しない。大学に入ってからの1年半を単なる「無駄な時間」で終わらせたくない。後期は、気持ちから変えなければならない。
 
『もう二度と、後悔したくない。』
 
このまま何も変えずにサッカーを続けるだけでは、２年半後、必ず後悔する。だからこそ、今のうちに「変なプライド」を捨て、本気で努力しなければならない。
 
後半戦の目標は、
「どんな相手でもぶち抜き、とにかく仕掛けまくってチームの勝利に貢献する」
そして、攻撃だけでなく守備の部分でも 「対人で絶対に負けない選手になる」
サッカー人生を、あと2年半で終わらせるつもりはない。そのために、今この瞬間から全力で取り組み、一つの妥協も許さない。苦手意識をなくし、守備の克服に真正面から向き合う。
もう、言い訳はしない。
これからの2年半は、プロになるための準備期間。今シーズン、自分を変え、殻を破り、これまでの悔しさをすべてぶつける。覚悟を決めて、勝負の後半戦にする。
最後まで読んでいただきありがとうございました。