#56『Patient』 佐藤和斗(2年)
【名前】佐藤和斗
【出身】湘南ベルマーレU-18
【ポジション】DF
【森谷一斗から見た印象】
とにかくコミュ力お化けで、声がでかい。
ホームの関東リーグ、アナウンスではその声で会場を盛り上げてくれます。ピッチに立てば、後ろからチームを鼓舞し、たまに試合を盛り上げるエンターテイナー的なプレーも見せる、チームに1人はいてほしい、面白くて頼りになるCBです。
そんな彼のブログは熱く、興味深いことが書かれていると思います。ぜひ読んでみてください。
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『Patient』
産能大のプロDJこと佐藤和斗です。(笑)
自分はとてもお喋りですが文章に起こすのは苦手です。バックれようと思いましたが、徳さん(徳永忠詩トレーナー)に走りの本数を増やされると困るので綴っていこうと思います(笑)
ちょっと真面目にやってみます!!
行くぞ(おぉ!!(円陣)
タイトルにした「Patient」この言葉は我慢強いというような意味で使われることがあります。なぜこの言葉を選んだのか、この後を読んでもらえるとお分かりいただけると思います。
理想と現実
高校3年間、思うように試合に絡めなかった。絶対に大学サッカーでは大活躍をして、見てるい人にキャーキャー言われるサッカー生活を歩むのである!と意気込んで大学サッカー生活が始まった。
しかし大学サッカーが始まってわずか1週間、僕は手術を受けることになった。理由は、太腿にできた腫瘍の怪我だった。新しい環境、新しいチームメイト、これからの大学サッカーへの期待が膨らむなかで、まさかこんな形で出遅れるとは思ってもいなかった。
またか…
手術を終え、リハビリに励み、やっと復帰できたのは夏前だった。久しぶりの芝の感覚、久しぶりの試合、22人がピッチで汗を流す、待ち望んだ瞬間だった。しかし、そんな喜びも束の間、復帰した週の試合で僕は肉離れを起こした。痛みとともに、「またか…」という絶望が襲ってきた。結局、また練習から遠ざかる日々が続くことになった。
3度目の正直
夏になり、ようやく怪我が癒え、思うように動けるようになった。しかし、ここで新たな試練が訪れた。復帰して2週間後、突然、激しい頭痛が襲ってきた。これまで経験したことのない痛みだった。救急車を呼び、病院へ搬送された。診断は「群発頭痛」。聞いたこともない病名だったが、「自殺頭痛」と呼ばれるほどの激痛を伴うものらしい。これからは頭痛との付き合いが始まるのかと思うと、またしても気が遠くなった
それからというもの、生活の中で頻繁に頭痛が起こるようになった。練習や試合どころか、日常生活すらままならないこともあった。痛みがひどいときは動くこともできず、ただ耐えるしかなかった。周囲からは「大丈夫?」と心配されるが、正直、大丈夫じゃない。でも、サッカーを続けたい気持ちは消えなかった。
そして、ようやく頭痛ともうまく付き合えるようになり、コンディションが戻ってきたと感じ始めた矢先、またしても悲劇が起こった。
心
練習中、左足に激痛が走り、倒れ込むようにしてトレーナーに×を示した。1回目の手術、2回目の肉離れ、3回目の病気、正直悪いイメージしか脳内に湧いてこない。足を引きずるようにして病院へ向かった。診断は「第五中足骨骨折」。再び手術が必要だった。一生足からボルトは取り出さない、そう医師に伝えられた。大学1年生になってからの4度目の離脱。この瞬間、悟った。「ああ、もう大学1年生のサッカーは終わったんだな」と。思い描いていた大学サッカーの1年目は、怪我と病気に支配されてしまった。ジャンプをして着地をした時の「パキッ」という音、ストレッチャーに乗せられ見上げた手術室の天井、全身麻酔で遠のいていく意識。どれも自分が経験したことのないものだった。
しかし、どんな時も僕の周りには暖かい人達が居る、そう気付かされた。
何度も何度も離脱を繰り返す自分に、どんな時も「待ってるよ」と声をかけてくれた高さん(高田昌明コーチ)、何度もリハビリに戻ってくる自分を来るたびにプラスな声をかけてメニューを組んでくれる徳さん、高校時代からのチームメイトのモリ(森谷一斗/2年/湘南U-18)には、行き帰りを含めてたくさん声をかけてもらった。そんな中でもまっちゃん(松本朝飛/4年/磐田U-18)にはサッカー外の面でもご飯に連れていってもらうなど支えてもらっています。
覚悟と決意
悔しさ、虚しさ、焦り、色々な感情が混ざり合う中で、ただ1つだけはっきりしていたことがある。
それは、「サッカーを諦めたくない」という気持ちだった。大学2年目は、何があっても乗り越える。そう心に決めて、僕はまた前を向くことにした。どんな時でも前を向いて動きます、目の前のことに全力で取り組みます、絶体絶命でもそこに希望を見出します、ここから佐藤和斗の逆転大学サッカーが始まります。信じて進む、そう誓います。
このような状況で苦しんでいる人にこのブログが届き、共に歩む原動力となることを願います。
僕の拙い文章にお付き合いくださり、ありがとうございました
2025/09/07 14:19