#8『リバウンドメンタリティ』 田中颯流(3年)
【名前】田中颯流
【出身】湘南ベルマーレU-18
【ポジション】センターバック
【今野光希から見た印象】
田中颯流くんは見た目はいかついですが、実は抜けていて、おバカなところがあります。
ピッチ上では、声を出して、ガッツあるプレーがすごいです。
そんな颯流くんを今年は期待してください。お楽しみに。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『リバウンドメンタリティ』
私は産業能率大学サッカー部に、「1年生からトップチームのレギュラーとして活躍し、プロになる」という強い意志を持って入部しました。当時は本気でトップチームで活躍できると思い込んでおり、根拠のない自信を抱いていました。しかし、大学サッカーが始まると、高校時代とは比べものにならないプレースピードやフィジカルの強さに圧倒され、これまで通用していたはずのプレーが通用しない現実に直面しました。さらに、トップチームどころか、下のカテゴリーでも思うように活躍できない自分に苛立ちを覚えました。
また、私は入部以来、数多くの怪我を経験してきました。1年生の時に脳震盪を起こし、2年生になって再び脳震盪で長期間の離脱を余儀なくされました。さらに、昨年の夏、トップチームに昇格した直後に肉離れを発症し、回復したと思った矢先に再発。再び長期離脱を余儀なくされました。そのほかにも足首の捻挫や腰の故障など、何度も怪我に苦しめられてきました。
この2年間は、入部前に思い描いていた自分の姿とは大きくかけ離れており、理想と現実のギャップに苦しみました。これまでのサッカー人生では、大きな怪我もなく順調にステップアップしてきただけに、大学で初めて味わう挫折は非常に大きなものでした。特に直近の肉離れの再発は精神的に大きな打撃となり、練習中に太もも裏から「バチン」と音がした瞬間、頭が真っ白になりました。最初は現実を受け入れられず、ただ茫然とするばかりでした。
しかし、翌朝、暗い気持ちでリハビリへ向かうと、自分よりもさらに重い怪我を負った選手たちが前向きにリハビリに取り組んでいる姿が目に入りました。その姿を見て、「自分はこんなことでくよくよしている場合ではない」と強く感じました。また、その時期は4年生の引退が近づいており、「自分にもあと2年しかない」と考えると、言い訳をせず、悔いのないよう全力で取り組まなければならないと決意しました。
これまでの怪我の経験は決して無駄な時間ではなく、むしろ私を強くしてくれたと実感しています。そして、同時にサッカーができる喜びや幸せをこれまで以上に深く感じるようになりました。試合に出られず思うような結果を残せなくても、怪我なくプレーできることがどれほど幸せなことかを、身をもって知ることができました。
私はまだサッカー部で目立った結果を残せていません。しかし、入部前に描いていた自分の理想に近づけるよう、今後も全力で努力し続けます。また、怪我をした際に支えてくれた家族、仲間、リハビリでお世話になったトレーナー、そしていつも気にかけてくれるスタッフの方々への感謝の気持ちを、プレーで示したいと考えています。試合に出場し、チームに貢献し、結果を残すことが、何よりの恩返しになると信じています。
これからも挑戦し続け、自分の成長を証明していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
2025/04/29 16:28