『モノクロでも白色は』 田口瑛大
「モノクロでも白色は」
サテBの心臓である柳原からバトンを受け取りました、2年理工学部化学科田口瑛大です。
一人暮らしを初めて半年経ち、自分の中で大切なものが少しずつ見えてきたのでそれについて書こうと思います。
ふとした瞬間に、この世界から色が消えてしまったように感じる日がある。
嬉しかったことも、好きだった景色も、昨日まで当たり前だったものさえ、ただ白と黒の輪郭だけになってしまう。そんな日は、何を見ても心が動かない。
昨日まであんなに鮮やかだった、お気に入りのマグカップの青も、今日はただの暗い影に見える。でも、そこに注いだ牛乳の白さだけは、妙にハッキリと自己主張していた。その白さを見ていたら、実家暮らしだった時に母がかけてくれていた『いってらっしゃい』のぶっきらぼうな声を思い出した。
人は失ったものばかりに目を向けてしまう。でも、本当に大切なものは、案外ずっと変わらずそこにあるのかもしれない。
だから、色が見えない日ほど、白色を探したい。
見落としがちな当たり前に感謝して、一日を大切に積み重ねていく。その積み重ねの果てに、かつての世界がどれほど鮮やかだったかを、いつか静かに思い出せる日が来ると知っている。
モノクロの世界でも、白色は消えない。
その白色に気づける限り、きっと前を向いて歩いていける。
短い文章でしたが読んでいただきありがとうございます。次は暴れん坊小野藍大です。
2026/08/08 14:43