青森山田高校サッカー部 公式サイト

　『ゆとり世代』人生における危機感をあまり意識することのない時代。精神的平和世代として育った若者たちが、未来の日本を背負って立ち、社会をリードしていく時代がまもなくやってくる。世界各国、重要な生活を営むうえで、社会や組織、グループの中で先頭を走り、新たな道を切り拓いていくリーダーは欠かせない存在である。しかし現代社会において、その組織で絶対的に必要な『真のリーダー』が年々減少していると感じるのは私だけでしょうか。 　リーダーの地位や立場、在り方は各組織によって異なる。社長であったり、部長であったり、校長であったり、店長であったり、監督であったり、キャプテンであったりそれぞれである。世間的に日本のリーダー不足を指摘する声が多いが、いったいリーダーに求められる資質とは何だろうか。私が考えるものをいくつか挙げてみる。 　責任感・協調性・忍耐力・包容力・行動力・オープンマインド・説得力・マネジメント力・組織愛・人脈・経験・勇気・実行力・調整力・判断力・決断力・情熱・信頼・演出能力・表現力・交渉力・ユーモア・政治力・社交性・経営的思考・采配力・論理的思考・知識・教養・負けん気・思いやり・学ぶ力・発想力・修正力・バランス・創造力・掌握力・探究心・向上心・企画力・好奇心・プレゼンテーション力、コミュニケーション力、デモンストレーション力、等々、数えきれない程のスキルが重要となる。これらの資質は、決して人から与えられ、人のマネごとで身に付くものではない。自らの足で全国を渡り歩き、様々な人達と出会い、自らの手で険しくも新たな道を切り拓き、挫折や失敗を何度も何度も繰り返しながら身に付けていくものである。そんな理想的なリーダーは全国でも数少ないと思うが。(笑) 　『この仕事は、あの人の器では無理だ！』『あの人は器が小さいからリーダーにふさわしくない！』という言葉をよく耳にするが、これだけはどうにもならないことである。 　なぜなら、『器』は『うつわ』だからである。 　小さな器に多くの料理が載らないのは当たり前。自らの人生を掛けた大勝負から失敗や挫折を経験していない者に、発展的な大仕事や、数多くの部下や部員を合理的かつ効率よく動かすことは不可能である。毎年のように発展し続ける会社や組織のリーダーポジションには、必ず優れた人材が配置されている。逆に低迷する会社、発展しない組織には、感性や生産能力、采配力に乏しい人材や、発展イメージを持たずして長年人の影で無難に仕事をこなしてきた人材を配置している場合が殆どである。発展的で開発的なイメージや戦略を持てない者が、リーダーとして存在していること自体が大きな低迷原因といえる。そもそも低迷組織のリーダーは一つの役割として存在し、リーダーというものは重大な仕事であるという認識が薄いのである。組織を良くしていく責任があることを忘れているのだ。中には、リーダーのポジションになるとダメになってしまう人がリーダーになっていることもある。会社や組織、チームに優秀なリーダーがいないことは、『最大の危機』だということを忘れてはならない。 　指導者人生２２年目。改めてリーダー気質の子供が激減したことを実感している。何でも率先してやりたがらない、争い事が苦手、常に答えを待っている、自分の行動に責任を持てない、『努力』や『我慢』は大嫌い、『挫折』や『諦め』は超早い。大人たちは、今の若者達にそんな印象を持っているのではないだろうか。現代の日本は『ゆとり教育』の中で、そんなタイプの子供たちを『金太郎飴』のように生み出してきたのかもしれない。集団や組織にリーダー気質の子供がいなくて、『キャプテンや級長、班長等を決めるのも一苦労』なんてことも少なくないだろう。 　未来において、日本が世界各国と十分に渡り合っていくためには、子供達の将来に触れている立場の我々指導者達が、子供達にリーダーとしての思考力や実行力、責任感を植え付けていかなければならないと思う。人に嫌われても、敵が多くなっても、生意気と言われても、大事な時に正しい決断や行動ができる人材を育てなければならない。