青森山田高校サッカー部 公式サイト

青森山田高校サッカー部
監督 黒 田  剛
「ジュニアの育成」が日本サッカーの将来を変える
 「子供の将来に触れている!」という「意識」と「自覚」はあるのか、無いのか。指導現場では、指導者としての「責任」や「資質」が大きく問われる時代である。つまり指導者の「指導理念」や「指導方針」によっては、子供の将来も大きく左右されることが明らかな時代ともいえる。私も指導者として、いつもその「責任の重さ」に押し潰されそうな感覚を抱きながら現場に立っている。個々の選手が目指す「日本代表」や「Jリーガー」といった理想の進路を決定させるために最大限の力を注ぐことは、今や私の「使命」ともなっている。育成年代の中で最も重要な時期を担う、ジュニア年代を担当する指導者たちは、そんな「思い」や「責任」、または「重圧」を感じたことがあるのだろうか。自らの経験に基づきサッカーを教えることはできても、「人を育てる」「人を伸ばす」ということは誰にでもそう簡単にできることではない。むしろ親や大人が何も関わらないことで、精神的、人間的に大きく成長した例も記憶している。
 「指導した」「教えた」「伝えた」「アドバイスした」「いつも言っている」という指導者側の一方的な感覚で『優越感』に浸り、『満足感』がむき出しになっている「危ない指導者」をよく見かける。私は、容易に指導の現場を持ち、「恩師」「先生」「教え子」という師弟関係を安易に築けてしまう現状に、とても違和感を覚える。なぜなら、その関係を構築する際に「教わる側」の意思が殆ど存在しないからだ。もちろん「何も教わっていない」と感じているケースも少なくない。
 よく「三人兄弟の三番目」がスポーツ選手として一番良く育つと言われ、親や周囲から大いに期待されることがある。実際、日常会話においても「やっぱり三番目だなぁ〜」「さすが三番目だよね!」など耳にする。信じ難いが『三番目有望説』は経験上どうやら認めざるを得ないようだ。その要因は「家庭環境」以外に本人に影響を与えるものは何もないからだろう。
 「一番目」は、親が何もかも手を掛けすぎるため、子供の自立が遅れ、親を頼る習慣が抜けない。「二番目」は、子育てに慣れが生じ若干手を抜く傾向はあるものの、有難いことに子供の早い自立にも繋がる。しかし「三番目」が誕生することによって、「二番目」は手を掛けられる頻度が極端に減り、いつの間にか全体のバランスを視る意識が生まれてくる。そして「三番目」に対しては、子供に掛ける「手数」と物事の「示し方」にも「余裕」や「知恵」が生まれ、親との良い「距離感」が確立される。その上、二人の子育て経験が作用し、家庭教育の『ちょうどいい関わり方』が実現するという具合だ。しかも「三番目」は、上2人の兄に負けない「根性」や「したたかさ」がうまい具合に培われていく。推測だが、これが本当のところではないだろうか。家庭環境(親の手の掛け方)が、成長の「伸び代」に深い影響力を及ぼし、「自立」と「ハングリー精神」を効率よく育んだということになる。要するに「伸びる子」は育成方法次第でうまくコントロールできるということだ。ジュニア指導も同様だ。
 子供を『伸ばし育てる』ことは、親の「関わり方」や「距離感」が最も重要であり、また指導者の「心に火を灯させる力」と「灯った火にほんの少しの風を送る」作業が「繊細なレベル」で実践されているかどうかが重要になってくる。つまり日本サッカーの将来に欠かせないのは、「ジュニア育成」におけるクオリティーアップであると強調したい。冒頭述べたように『自己優越』に浸った指導者は、「灯った火」の「消火作業」を推し進めていることに気づいていないようだ。
 子供の「やる気」を「永久に!」や、子供の「夢」を「現実に!」が、ジュニア指導者間の合言葉にならなくてはならない。「根気強い子」「思考できる子」「言うべきことを言える子」「やる気のある子」そんな子供達を多く育成しなければ、日本サッカーの将来は開けないし、いつまでも世界と対等には戦えないだろう。
2016/09/06 08:39
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