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第62回 「難が有るから、有難い。」 吉田 賢人
今回部員ブログを担当させていただく2年吉田賢人です。
初めて部員ブログを書くのでまとまりのない文章でとても長くなってしまうかもしれませんが最後まで読んでいただけると幸いです。

2020.12.6
この日は、中央大学学友会サッカー部の2部降格が決定した日。
恐らく自分の人生の中で忘れることはないであろう出来事の一つになった。
試合終了の笛を応援席から聞いた時、遂にこの瞬間を向かえてしまったと絶望的な感情と共に自分自身の無力感を改めて痛感させられた。

こんなことを書いているが私は、中央大学サッカー部の選手ではない。ピッチでプレーすることはもうないのだ。度重なる怪我もあって高校3年の時に大学でサッカーすることを諦めた。だからスタッフとして今度は誰かのためにサッカーに携わりたいと思うようになり、関東リーグに所属する大学を受験した。だが結果は、全敗。1年間の浪人生活が始まった。そのとき自分には、大きな目標が2つあった。「大学サッカーで日本一を獲る。」「選手に4年間悔いなくサッカーしてほしい。」もはやこの2つだけがモチベーションだったのかもしれない。その結果、当時関東1部昇格を決めた中央大学に入学することになった。

中央大学サッカー部には、全国でも名の知れた有名校出身の選手、Jユースの練習着に身を纏う選手たち。それだけではなく、Jリーグ内定選手がたくさんいた。ましてや部活の先輩に自分自身が応援しているチームに進む選手がいるなんて、全国とは無縁の片田舎の高校出身の私からすれば夢のような環境だった。1年目は、憧憬の念とともに無我夢中で毎日を過ごしていた。

しかし、あるとき母校に顔を出した際に監督に「お前は、部活でいまどんなことしているんだ?」と何気ない質問をされた。
そのときに「あれ?俺やりたいことやれてなくない?」と頭の中を駆け巡ったことを今でも鮮明に覚えている。ただ単純にその環境に甘え、考えることをやめ、インカレ3位という称号ばかりに満足していたのだ。「日本一」は、手の届きそうなところに来ているのにどこかこのまま優勝しても素直に喜べない自分がいた。自問自答を繰り返す日々、本当に私はこのチームに必要なのだろうか?自分の代わりになれる人なんているんじゃないかと。

そんなとき正式に入部する前に学連の活動を体験した際に話をしたとある大学の先輩の言葉を思い出した。「なにをするかも大事なことだけど、自分にとって一番存在価値を見出せることをした方がいいよ。」
自分にとって存在価値を見出せること。それはこのチームに入ると決めた時から持ち続けている学生トレーナーになるということ。私は、一番大事なことを忘れていた。「選手のため」「チームのため」ばかりが先行して自分自身に嘘をつき続けていたのだ。浪人時代に考えた「選手に4年間悔いなくサッカーしてほしい」は、自分の怪我がきっかけだったはずだ。中大には、スポーツ系の学部がないから学生トレーナーはできないと目標から逃げようとしていた。できないのではない。やっていないだけだったのだ。とはいえまだまだ存在価値を高められていない。それをこれからの2年という限られた時間の中で追求と探求をし続け、学生トレーナーとしてこのチームの勝利に貢献することが今の自分が自分に課した目標である。

選手たちは1日1日が勝負の世界。その日の練習のたったワンプレーで、もしかしたら人生が変わるかもしれないという厳しい世界で戦っている。その選手たちと接する以上、同じ熱量で自分も努力し、学ぶことが求められる。そして何より変化し続けなければならない。
新型コロナウイルスが世界を一変させたように、この先の世界は、いつどうなるかわからない。変わろうとしなければ時代の潮流に取り残され、立ち遅れてしまう。
とはいえ変化しようとすると大概思い描いたように、物事は進まず大きな壁にぶつかり、試練として立ちはだかることがある。しかし、それは行動し、変わろうと思った者にしか経験できないことだ。

「難が有るから、有難い」
これは自分が怪我をしたときに小学生時代に初めてサッカーの楽しさを教えてくれた人が私に送ってくれた言葉。難が無ければ、無難な人生しか待っていない。いつだって自分の前に立ちはだかる困難は、己の弱さや足りないものを露呈させ成長させてきたはずだ。いま中央大学サッカー部に立ちはだかる2部降格という困難は、このチームの足りない部分を顕在化させた。そこに対し、中央大学サッカー部に関わる全ての人が真摯に受け止め、変化しなければならない。ピッチ内外で見つめなければならないことは、たとえその事が99%無駄であったとしても向き合い続ける必要がある。様々な要素が整ってこそ、やっとサッカーという土俵に立つことが出来る。自分のことだけ考えていれば良いは、もう通用しない。このチームで出会ってしまった以上、全員の人生が乗っかっている。だから12月6日に経験した降格という忘れられない出来事を来年には昇格という全員にとって忘れられない出来事にしたい。

最後に、普段あまり口にすることがない分、長くなってしまいましたがここまで読んでくださった皆様ありがとうございます。そして自分のわがままを聞いてくれたマネージャーの先輩方、下手くそなアップにアドバイスをくれた4年生、半年間一緒にフィジカルトレーニングをしたBチームのみんな。自分に関わる人のおかげで今の自分があります。本当にありがとうございます。

拙い文章でしたが最後までお読みいただきありがとうございました。

  
2020/12/17 22:37
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